人は、色々なものにイメージを持っている(連合の法則)

「catch me if you can」って映画、覚えていますか?
天才詐欺師と称されたフランク、W、アバグネイルJrの自伝です。
で、この映画には、確か、パイロットのふりをしているシーンがあって、そこで(天才技師をふんした)ディカプリオが、きちんとパイロットの制服を着てたんですよね。
この映画を見た当時は、天才詐欺師というくらいなので、すごい口がうまいんだろうから、別に制服なんて着なくていいじゃん、わかりやすくするための映画の演出なのかなと思っていたんですよね。
で、かなり前、モテの話をしていたとき、「スーツ2割り増し」「ナース服5割り増し」という話になったのですが、ここで、つながったのです!
キーワードは「イメージの利用」です。
心理学でいう、連合の法則ってやつでしょうか。
どういうことでしょうか。

イメージを利用すると、他人からどのように思われたいのかをコントロールできる

同じ一人称でも、様々な言い方があります。

「私」「ボク」「俺」「ワシ」「俺様」「ボクちゃん」「ショウちゃん(自分をちゃん付け)」

このそれぞれが、違うイメージを持っています。

「私」が持つイメージ:ビジネスマンのイメージ
「ワシ」が持つイメージ:屈強で日焼けをしている男性のイメージ
「ショウちゃん」が持つイメージ:お子様のイメージ

もし、私が、みなさんから「『屈強で日焼けしている男性』と思われたい」と考えているならば、「ワシ」という言葉がもつイメージを利用すればいいのですね。
具体的には、文章を書くとき、常に「ワシ」と書けばいいのです。そうすることで、他人から(自分が)「屈強で日焼けしている男性と思われるようになります。
このように、言葉のもつイメージを利用することで、他人からどのように思われたいのかをコントロールすることができます。
あらためて、このように書くと「当たり前」と思うかもしれませんが、多くの人は意外に意識できていません。

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服装などにもイメージがあって利用できる

言葉だけではありません。
職業などの形のないもの、服装などの外見、食べものなど、あらゆるものにイメージがあります。
こういうイメージを利用したのが詐欺師であり、テレビCMであり、通販番組であり、モテのテクニックであります。どういうことか?

シックな色で、上下そろっていて、高そうに見えるスーツを着れば、女性に好評なのですが、なぜ好評なのかというと、シックな色の高級そうなスーツって、「エリート社員」「仕事ができる」などのイメージがあるためです。
だから、スーツを着ると、女性から「この人はエリート社員なのかも」「仕事ができるかも」などと思ってもらえるため、女性に好評なのです。

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イメージを利用するのは、とても大切

たとえば、私が次のような外見をしていれば、私のことをどのように思いますか。

・髪型:モヒカン(青色)
・服装:皮パンに、金属のアクセサリーをつけまくり

こういう服装をしていると、パンクのバンドを組んでいて破壊的な思考の持ち主だというイメージを持ちませんか。
言い方を替えると、上記の外見をするだけで、私という人間は、他人からは以下に見える、もっというなら、他人にとって、私は以下の人間になるのです。

・本来の私の持っているもののうちの他人から見える部分
・パンクのバンドを組んでいそうで破壊的→この部分が加わる

人の内面はわかりません。でも、外見、職業、行為など、「目で見えるもの」はわかります。だから、人は目で見えるもの(もっというなら、それが持っているイメージ)を利用して、内面を推定しているわけですね。
言い換えるなら、人の内面はわからないので、外見が持っているイメージを使って、内面を推定する、いや、とりあえず「断定」するんですよね。

(例1)シックなスーツを着ていて、めがねをかけている、そして知的な会話をする。
→他人は、皆さんを、エリート社員、頭がいい人などと内面を推定
→本当は、皆さんは、エリート社員、頭がいい人ではなくても、他人にとっては、これが真実、つまり、他人にとっては、皆さんがエリート社員、頭がいいというが「真実」になります。

(例2)青いモヒカン、皮パンをはいている
→パンクのバンドをやっていて、警察と戦っていそうなどと内面を推定
→本当は、皆さんは、パンクでロックな人生を送っていなくても、他人にとっては、これが「真実」になります。

普通に生活している分に関しては、この推定は、正しいことも多いので、あまり問題になることはありません。
だから、多くの人はほとんど考えることなく、外見のちょっとしたことで内面まで推定しているのです。
だからこそ、詐欺師は、ここをつくのですね。
詐欺師だけじゃなくても、商売や、モテるテクニックなどでも、ここをついています。

制服という強いイメージを利用

「catch me if you can」って映画の話に戻ります。
なぜ、天才詐欺師は、話術に長けているのに、パイロットの制服を着たのか。それは、制服に「強いイメージ」があるためです。

たとえば、警察の制服を着た人から、「君!鞄の中を見せなさい!」って言われたら、どうします?鞄を開けてしまうのではないでしょうか。
でも、その人、本当に警察という保証はないんですよ。
だって、ヤフオクで、警察っぽい制服を買って着ているだけかもしれませんから。
それくらい制服には、強いイメージがしみこんでいます。
だから、「catch me if you can」の映画では、その制服のパワーを生かすために制服を着て、詐欺を行ったわけですね。

何も制服やスーツだけではありません。
身近なもので使われている例を紹介します。

なぜ、CMに芸能人が起用されているのか

以前は、芸能人が不倫したり、未成年なのに喫煙したりして、事件になると、 テレビCMから、外される理由が理解できませんでした。
だって、プライベートと、仕事は別物ですからね。
でも「イメージの利用が悪い方向に働くからか!」だとわかって、納得した次第です。
どういうことか?

清純がウリの女優が、清純のイメージがある白いワンピースで、洗剤を宣伝しているのを想像してみてください。
全く知らない洗剤なのに、白いイメージがつきませんか?

一方、黒い噂が絶えない女優が、真っ黒な服を着て、たばこを吹かして、酒を飲みながら、洗剤の宣伝を宣伝しているのを想像してみてください。
洗剤に、上記とは違うイメージを持つのではないでしょうか。

コレ、イメージの利用ですよね。

<知っているもの=すでにイメージがある>
・清純というイメージがある女優
・白いワンピース

<知らないもの=イメージがない>
・洗剤

知っているもののイメージを利用して、知らないもの(洗剤)のイメージを植え付けているわけです。
逆をいえば、洗剤に「白い」「清潔」などのイメージを植え付けるために、「清純な女優」を起用して「白いワンピース」を着させているわけですね。
だから、芸能人がスキャンダルを起こしたら、CMからおろされるわけです。

イメージを有効活用しよう

結局、言いたかったのは以下です。

・形がある物、言葉、形がない職業など。すべてに「イメージ」がある。
・人は内面はわからないので、外見から推測する。商品の場合ならば、パッケージなどの外見で 中身を推測する。
・外見から推測するときに、上記のイメージを利用する

これを「Catch me if you can」の 天才詐欺師はうまく利用したわけですね。

・銀行で、偽造の小切手の換金をしたい。多くの人の「パイロット=金を持っている= 偽造の小切手を使うとは思えない」というイメージを利用。だから、銀行の窓口の人に、自分はパイロットだと思わせたい。
・そこで制服の強いイメージを利用。つまり、パイロットの制服(外見)を着ていると、パイロット(内面)だと推測されるのを利用
・映画でも、そういう台詞があったと思いますが、「今晩のフライトが……」などとパイロット というイメージを引き起こす言葉を使う。

もちろん、詐欺師だけではありません。
あらゆるところで利用されています。
その例として、テレビCMに、 なぜ芸能人が起用されているのかを書きましたね。

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